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古民家をリフォームしながら、近所付き合いを楽しむ

マクニコル 良治さん
足立 真希さん

 

マクニコル良治さんと足立真希さんは、
NPO法人「地球映像ネットワーク」に所属し、
同NPOが開催する
「世界自然・野生生物映像祭」で知り合いました。
2016年の初めに砺波に移住し、
生活&仕事のパートナーとして
古民家で2人暮らしをしています。

 

”アーティスト交流の場”へ

interview_04_003「世界自然・野生生物映像祭」は、野生生物や自然のドキュメンタリーの映像祭で、世界3大映像祭のひとつとして知られています。今年で25年目を数えました。
マクニコルさんと足立さんが今、住んでいる古民家は、その映像祭の拠点です。この家の元々の持ち主は、ピアニストの林さんでした。しかし、映像祭の理念に共感され、職業柄、世界各国で演奏をするなど家を空けることが多いこともあり、「地球映像ネットワーク」に家を寄付してくれました。それが、映像祭の拠点になったきっかけです。富山で映像祭が開催されるときには、3〜4ヵ月間、約30名のボランティアスタッフが集まり、映像祭期間中は約30名の映像制作者が集まりますが、それ以外の時も制作者が滞在できる場となっています。
「映像祭の時に滞在していた制作者の方々から、「ここには日本の文化が詰まっているし、居るだけでクリエイティブな発想が得られる」と言われ、制作者の方々の創作活動を支援すべく、世界中のアーティストが来日して制作活動や情報交換ができる”アーティスト交流の場”にしようということになりました。そのプロジェクトをスタートするために、私たちが移住することになったんです」(足立さん)

 


ご近所付き合いも盛ん

interview_04_002同NPOの目標は、自給自足をしながら映像祭を開催していくこと。「私たちも東京でずっと暮らすつもりではなかったため、ここに来て良かったです」と微笑むお二人。移住からまだ1年弱ですが、近所の方々との交流も盛んな様子です。
「近所に挨拶回りをしていた時、地域の新年会に誘っていただき、参加させてもらいました。また、冬に家の周りが雪で埋まった時には除雪の手伝いに来てくださったり、夏にはたくさん野菜をいただいたりと、近所の方々には良くしていただいています」(足立さん)
もちろん、”アーティスト交流の場”として、木彫り職人や写真家、デザイナーなど、さまざまなアーティストとの交流も盛んです。
「ここからJR砺波駅まで車では約15分ですが、公共交通機関を使う場合はバス停まで徒歩20分、そこからバスに乗って15分と、遠いんです。でも、アーティストの方々は「毎日20分歩くのが楽しい。農村の風景を見たり、毎日同じ人に会って会釈をするのが嬉しい」と言うんです。その視点がいいなと思いますね」(足立さん)
ありのままの砺波を享受するアーティストの方々。2人も「ここに来て良かった」と、すっかりお気に入りのようです。

 


フリーランスのドッグトレーナー

interview_04_004この家には2人の他に、ラブラドール(犬)のスカイ、猫のそらも一緒に住んでいます。特にスカイは、マクニコルさんにきちんと躾けられているため、とてもお利口さん。そんなマクニコルさんが、9月からこの家でドッグトレーニングを始めました。近くのドッグランに行った際、そこで知り合った女性からトレーニングを頼まれたことがきっかけです。
「私は、スコットランドに住んでいた時、猟犬を育てていました。ウサギの穴に入り込んでいく犬や、羊を集める犬など、いろいろな猟犬と小さな頃からふれあっていました。そのうち、フリーランスのドッグトレーナーとしても取り組んでいけたらいいなと思っています」(マクニコルさん)

 


どこででも仕事ができる、リモートワーカー

interview_04_005蔵を改造した仕事部屋で働く2人。仕事部屋はあるものの、オフィスを持たずに仕事をしている2人は、今話題のリモートワーカーです。
マクニコルさんの本業は、フリーランスの写真家。「これからは、砺波で映像を撮っていきます。海外プロダクションと提携を組んで一緒に砺波を盛り上げようと、今は企画を立てているところ。映像祭と連動してできたらいいなと思っています」(マクニコルさん)
一方、足立さんの本業は、フリーランスの字幕制作者です。「字幕のつけ方はNPOに入ってから学びました。今はスポーツや海外ドラマ、ドキュメンタリー映像の字幕制作事業に携わっています。インターネットがあれば、どこででも仕事ができますから、不都合はありません」(足立さん)

 


砺波への移住をお考えの方へ。2人が思う、砺波の魅力。

interview_04_006「10年以上、この家の庭の手入れを手伝ってくださっているシルバー人材センターの女性たちから、「昔の家は周囲をぐるりと回ると、柿の木など、どこかに食べ物があるように作られているんですよ」という話を聞いた時に、すごく素敵だなと思いました。東京はお金がないと何もできないところですが、ここは川で遊ぶことも、山にキノコを取りに行くこともできます。食べ物もおいしいので、こっち来てから太っちゃいました(笑)」(足立さん)
「人ときちんとつながれるところがいいなと思いますね。ここに来る前は閉鎖的なところだと聞いていましたが、実際は毎朝挨拶したり、差し入れをしてくれたり、皆さん明るくて、ストレートに接してくれて、人のつながりが心地よいと思います。制作者の方々がヒッチハイクをした際、快く車に乗せてくれる親切な方がいて嬉しかったと話していました」(マクニコルさん)
2人の明るい表情こそが、砺波に対する高い満足度の証です。

 

 

 

プロフィール

マクニコル良治(まくにこる・よしはる)
NPO法人地球映像ネットワーク理事。1984年、東京生まれ。5歳でスコットランドに移住。7歳でラグビーを始め、17歳でスコットランドU-18に入り、エジンバララグビー・プロフェッショナルリーグで活躍。19歳でオックスフォード大学に入学し、22歳で日本に帰国。アジア学院の講師などを経て、フリーランス写真家の傍ら出版社に勤務。現在は写真家、ドッグトレーナーとして活動しながら、新会社設立に奮闘中。


足立真希(あだち・まき)
NPO法人地球映像ネットワーク事務局長。1987年、兵庫県生まれ。10歳から14歳まで米国に滞在。18歳で東京学芸大学に入学し、19歳でアフリカに渡航。21歳でエイズ孤児支援NGO・PLASに出会い、ウガンダやケニアで学校建設や母子感染啓発事業に携わる。映像祭のスタッフになり、後に事務局長に。現在、NPOの運営の傍ら、フリーランスとして字幕制作事業に携わる。

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